2012年2月2日号
ども、名美酒です。
2月です。嬉しいですな、本格的な新酒の時期ですよ〜!「今年の出来はなじだんべ。」3月の酒の陣まで待ってなどいられません。年が明けるや、あっちの新酒、こっちのにごり酒と、目尻と財布を緩みッ放しにし、女房殿に睨まれている飲兵衛なのであります。
ではでは、正月に飲んだにごり酒二種をご紹介。まず湯沢は「白瀧」の「純米にごり活性生酒」。活性酒は振っちゃいけない、キャップはソ〜ッと緩めるのだ。吹き出すことなくプシュ!が出来ればオーケー。グラスに注げばシュワ〜!口に含めばプチプチ。新酒ならではのフレッシュさと美味さ溢れる飲み口に「ウ〜ン、スッキリまいう!」。キャップを開けるのは慎重だが、ビンを空けるのは簡単だった。
こちらはトロ〜リとした、新しい味わいの「にごり」である。その名も「とろとろと」、芳醇な美酒を醸す秋田は「秀よし」の「練り上げにごり酒」だ。裏ラベルには「なめらかな食感が新しい」とある。ビンを眺めると上澄がほとんど無い。まるでヨーグルトのビン詰めではないか。まるで「ナニコレ?」である。「混ぜなイカンだろ」と、ビンを逆さにしたが滓の動きはドローン、何ともスローモーなのだ。で、「ンナロ!」とばかり、思いっ切り振って、よ〜く混ぜる。グラスに注ぐと出方もトロ〜ン。口に含むとこちらもトロリ。「まるで飲むヨーグルト‥」が、良い香りと旨味がフワーッ!「ウフッウンメ!」ゴクリと飲めば後味もスッキリだ。「こいつは飲み飽きしない」が、ビンはすぐ空いた。
新しい食感の酒なのだが、滋味の溢れる旨口酒は、囲炉裏端で茶碗に注いでキューッ!そんな昔ながらの風情がピッタリ。昔語りにあるじゃないですか、“とろとろと昔があったと…”エッそりゃ“とんと”だ。今からぼけてるんじゃないって…?正月ぼけですかな、ハハ…。越後サケ申した。
2012・Back Number
2012年1月19日号
ども、名美酒です。皆様、今年の正月、如何お過ごしになりましたか?まずまず穏やかな元日のお陰でアタシも例年通り、鎮守様の初詣から始まり、しっかりと“酒浸し”にならせて頂きました、ウフッ‥。正月早々なんですが、少し鼻を膨らませても良ござんすかね、?あのね、出来たんですよ、ついに。エッ孫か?ハイッ昨年暮れにメデタク…。アッそれも勿論目出度い話しですが、「今日も咲け咲け(酒々)明日も咲け(酒)」を身上としてきた飲兵衛が待ち焦がれた、蕾がついに花開いたのです、ジャーン!
見て下さいなこのグラス=写真=、酒を注ぐと内面一杯に花開く艶やかな椿、良いでしょ!正月2日に届きました。「こいつは春から縁起が良いわい!」。早速に「越の華・大吟醸 金賞受賞酒」で初飲みと御座〜い。椿の艶やかさが円やかな大吟醸の味を増すね、とクイッ「美味い!」と言ってはまたクイッ!「良い正月だの〜!」調子に乗り過ぎた。過ぎたるは何とやらである。女房殿に見事な落とし玉…、イヤッカミナリを頂戴しました、ハハ。
このグラスは、10年前に探しに探した末、漸く見つけたお気に入りのもの。しかし、全くのスッピンが故に、フと飲兵衛に欲が出た。「ワンポイントがあればさぞかし…」募る思いは日々増すばかり、それがアナタ!知人が富山県の工芸家・竹内良文さん(日展会友)に依頼、見事な花を咲かせてくれたと言う訳。ヨ〜シと意気込み、「寒椿 今年も美味い 酒飲むぞ」駄句を詠んだら、「その前に己の器を磨け!」女房殿の温かい言葉、痛み入ります。越後サケ申した。
2011・Back Number
201年1月20日号
ども、名美酒です。今年の初夢は、目出度い酒尽くし。本にアタシはお目出度い?!
ハイッ明けまして「おめでとう」(和歌山)と、「夢心」(福島)に出たのは「七福神」(岩手)。「新鯛」(愛知)抱えた「若戎」(三重)、大黒が「倭小槌」(兵庫)一振りで「宝山」(新潟)だ。「千功成」(福島)て「かちとき」(愛媛)挙げるは毘沙門天。「福禄寿」(秋田)は「福徳長」(兵庫)で「御代榮」(滋賀)を「萬代」(福岡)に寿ぎ、布袋の打つ「小鼓」(兵庫)は「開運」(静岡)祈願。目出度い「萬歳楽」(石川)を謡うは寿老人。「琵琶の長寿」(滋賀)を弾きつつの見事な「舞姫」(長野)は弁財天だ。これには還暦男もスッカリ「若返り」(秋田)、またまた「開春」(島根)じゃ〜!押せば「歓びの泉」(岡山)湧く!
ここで目が覚めた。“あ〜勿体ない!”「くどき上手」(山形)も、これで運が「瀧鯉」(兵庫)と「常きげん」(石川)。呆れた女房殿は「七笑」(長野)だ。
新年、心「あら玉」(山形)って、まずは「陽氣」(佐賀)に「一献」(山形)。いくら「酒豪」(兵庫)と言えど、「一滴千両」(秋田)が「長命泉」(千葉)。「三笑楽」(富山)には「来福」(茨城)と、末は「鶴亀」(新潟)、「奥の松」(福島)。「友白髪」(香川)まで…とは行かずとも、まずはご「喜楽長」(滋賀)と行きましょう!
越後サケ申した。
2011年2月17日号
ども、名美酒です。2月は朔日のこと、「ジイー、ジイはおるか?」「アッこれはバカ‥イエッ若殿、何でございまする?」「あのな、雪国とは申せ、毎日の雪じゃ。もう、いじるのも遊ぶのも飽きた。
こんな雪は、煮るとか焼くとか何とかいたせ!」「それは無理と申すものですが…、“飲む”と言うのは如何でございますか?」「ナニ〜、それは面白そうじゃ。やってみ!」「それでは、まず越後にございます。弥彦の『越乃白雪』、佐渡の『北雪』、加茂の『雪椿』、上越の『雪舟』と『雪中梅』と、スッキリした雪が揃っております。四国の愛媛にも『雪雀』なる雪もございますが、やはり雪は北が本場かと」。「そーか、申してみよ!」「壁に耳あり障子に目…でございます。チョットお耳を拝借」。「フンフン」「まだ申しておりません」。「はよ申せ!」
「宮城に『雪の松島』=写真=なる雪がございます」。「ホー明美な名じゃの」。「名は明美にございますが、+20と言う飛び切りなのでございます。超辛口ながら滋味がジワーッウフフ…」パチン!「何、一人でにやけておる!」「アッスミマセンつい。では、お詫びにジイのとっときを申し上げます。秋田の『雪の茅舎』と申しまして、『山廃仕込・純米雪(酒)』が、冷やヨシ燗ヨシ、実に美味いのでございまする。あ〜モー堪りません!」「もう良い!話しばかりでつまらぬ」。「イエッ若殿、災害救助法が適用になるほど、雪は積まってございまする」。
越後サケ申した。
2011年4月21日号
ども、名美酒です。この度の震災で被害に遭われた皆様、御見舞と哀悼の意を申し上げます。
「雪深き 伊乎乃を出でていざ行かん、光りのどけき駿河の国へ」(大酒旅人?)てな訳で、鯰が大暴れする前の9、10日、駿河に行って来ました。もちろん、酒抜きには語れない、人様とはひと味もふた味も違う、飲兵衛ならでの珍道中、恥ずかしながらの一席、まずお付き合いを。
9日朝、乗り込んだ大駕籠(大型バス)は、三国街道(関越道)から甲州街道(中央道)へ走る。揺られてるだけなのに腹は減る。「昼餉は如何に?」「ハイッ甲斐は富士河口湖町にて、武田信玄の陣中食、ほうとう鍋を」、「何、美味いもんだよ、カボチャのほうとう、と歌われるあれか?」「左様です」「しかし、名物に美味いもの無し、とも言うではないか?」などと言っている内に、ぼこ様のサナギのような店が「いらっしゃ〜い」。すると、大きな鍋が目の前に。「こんなに食えるか!」ブツブツ言う割に鍋の底が見えた。
腹が落ち着くと、そこは飲兵衛。「郷に入ったら郷に従え」に習い、僅か半時の間しかいない甲斐の国。「何としても信玄公の銘酒を!」意を決して薄頭を下げて飲兵衛が、「供頭(添乗員)どの、是非ともお願い申す!」供頭もさすがに哀れを示し、大駕籠をクルリ酒屋の前に。他人の迷惑顧みず、乗り付けた大駕籠を急ぎ飛び降りて、酒屋に入れば目敏く見つけ「オー、そこに居ったか!甲斐だけに、来た甲斐があった!」下らん洒落はよしこさん。「谷桜」=写真=、「七賢」、「春鶯囀(しゅんのうてん)」を手に取り、目尻を下げたその時、そこに伊達「一ノ蔵」の「ひめぜん」が。「オーこれは良きところで…」さらに目尻が下がって「引き上げじゃ〜!」。
意気揚々と乗り込んだ大駕籠で、「♪駿河の国は茶の香り〜、飲兵衛の手元にゃ甲斐のチャケ(酒)〜。飲兵衛だってね、飲みねえ食いねえ!」石松も呆れる飲兵衛の旅。まだまだ駿河は先なのだ。一体どうなる珍道中!この続きは次回のココロだ〜!
越後サケ申した。
2011年5月12日号
ども、名美酒です。
甲斐の銘酒が手に入って“イヤーメデタシメデタシ!”旅は終わり?“とんでも八分歩いて十分、思い違いに勘違い”、これは旅の道連れ、燃料と言うもの。
“花は無くても谷桜”香しくも峻烈な大吟醸は、何とも見事な咲き具合、「富士山を愛でつつ味わう甲斐の酒」なのです。エッ羨ましい…?ザマミロでございます。と、言ってる内に大駕籠は東海道(東名高速)は駿河、静岡の宿(IC)に。「早やっ途中があるだろ…って?」ハイッ紙面の都合です。ここを下りれば早廻し、焼津黒潮温泉に一直線。まだ陽の残る夕の七つ(午後五時)には旅籠に到着。「あ〜着いた、一風呂浴びっか…」そんな和やかな声を余所に、焦る飲兵衛は番頭(フロント)を掴まえ、「ワシの酒は何処じゃ…?」知るかそんなの…!などとは言いません。「聞いてみましょう」電話なる近代カラクリで酒屋に問えば、「あるそうです。さらに「酒屋の前を定期駕籠(シャトルバス)が通ります」これには“やれ嬉し、ハゲが手を打つ膝を打つ!”急いで、駕籠に乗り込み「酒よ待ってろ〜!」アホか?
探し求めた酒屋に入れば、「磯自慢」が目の前に。「ここに居ったか?」感涙に咽ぶとはこのこと、思わず両手で抱きしめようとすると、横に「喜久酔(きくよい)」が。「そうかここだったか…」“本命が穴馬連れて焼津宿”である。これは感激ひとしおと思っていると、藤枝の銘酒「志太泉」も。だが、こちらは「相済まぬ」と涙の別れ。そう、懐が許さなかったのだ。とは言え“嬉しさに旅を忘れるハゲ頭”。
これにて旅は終わり…ではござらぬが、“飲兵衛は忘れることが極意なり”」翌朝の富士山の朝焼けは見事でございましたが、他は詳しく覚えておりません、ハハ。何とも駄句だらけの珍道中と相成りましたが、最後に“情けなくとも酒はある”旅の一説、一巻の終わりに…なるかどうかは、駿河土産をじっくり味わいながらと致します、では…。
越後サケ申した。
2011年6月16日号
ども、名美酒です。
イヤー忙しかった。雪消えが遅かった分、耕起から代かき田植えまで大慌て。そしてトドメが米ぬかペレット撒布、これが実にハードなのだ。撒く量が多いから、重たいミスト機を背負って畦の上をよろよろ、何度も行ったり来たり。毎日、♪朝も早よからヨ〜カンテラ下げて…アッこれはありませんが、頑張るもんですから夕方になるともうヘロヘロ、疲労困憊です。そんな体を癒してくれるのが女房殿‥?ブルルそれはありません、お酒です。一杯飲む“沁みる”。二杯飲む“ホッとする”。三杯飲む“疲れが吹っ飛ぶ”。四杯飲む“女房殿の雷が落ちる”。こんな明るい農家の風景がありました。
困ったのは飲むだけなため、在庫が目に見えて減るのだ。「ヤバイッこれでは燃料切れになる!」焦りの募る飲兵衛に、懐の余裕はないが時間に余裕が出来た。早速、酒屋に飛びましたな。すると一枚の張り紙が!《東北を応援しよう!》オーそうだった、今は「自粛より消費で経済活性化」、さらに被災地、岩手・宮城・福島には好きな酒が多く、「応援!」だけではない親しさがある。「オー、よくぞご無事で…」、今回は宮城は「愛宕の松」を支援だ。「これで少しは協力できた!」喜び勇んで家に帰ると、女房殿が優しくも冷たい声で「良い理由が出来たわね」。
イイのだ!冷たい視線なんかに負けない、オレは東北の酒応援団長になったのだ。岩手の「南部美人」「あさ開」「浜千鳥」「七福神」、宮城の「浦霞」「一の蔵」「墨之江」「雪の松島」、福島の「奥の松」「大七」、青森の「田酒」、秋田の「雪の茅舎」「新政」、山形の「出羽桜」「米鶴」、みんなが応援してくれている。見てろよ女房殿…アレッどっちが応援するんだっけ?まずは、「末廣」「愛宕の松」=写真=を応援だ。ガンバレ東北!
越後サケ申した。
2011年11月17日号
ども、名美酒です。
ご無沙汰している内に、早11月。菊香る季節となりました。そうです、1日から弥彦の菊祭りが始まっていますな。大風景花壇、大菊の数咲き、中菊の古典菊、小菊懸崖や盆栽など、花と芳醇な香りが会場を埋め尽くしています。皆さん、どうぞお出掛け下さい。
エッアタシ‥?「秋深し 観菊よりも 燗が利く」ハハ‥ご心配なく、秋上がりの美味い酒で「菊酒」を頂きますから。エッ「菊酒」知らないって…?古来より重陽の節供(菊の節供)に飲まれる薬酒で、本来は酒に菊の花を浸して飲むものですが、杯に菊の花を浮かべるだけでもオーケー!これなら風情も味わえるというものです。
秀吉が醍醐の花見に供した「加賀の菊酒」は、“白菊の滴がしたたり落ち、得も言われぬ芳香の漂う川の水で醸した美酒”のこと。今の「白山菊酒」には、「菊姫」「天狗舞」「萬歳楽」「手取川」「高砂」と、思わず涎が滴る銘酒が揃う。が、その話しはまたの機会、今回は『その香芳しく、その色淡く、その味美しきこと菊の如し』と命名された、阿波(徳島県)の「三芳菊」だ=写真=。
「雄町」仕込みの「純米吟醸中取り」は、酒名通りに芳醇な味わいの酒だ。甘く芳しい香りが鼻腔をくすぐる。含むとフルーティな甘酸っぱさが、舌の上で阿波踊りだ。「えらいこっちゃ!えらいこっちゃ!」日本酒と言うより、貴腐ワインを味わっているかのようだ「美味い!」そしてゴクリ!爽やかな切れがまた見事。何とも魅力的な酒である。どこかの課長なら口を曲げて言うだろう、「こりゃ日本酒じゃねえ!」こちらは「ヨイヨイヨイヨイ!」である。越後サケ申した。
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