法音寺平成蔵の17作品を初蔵出し トミオカホワイト美術館

南魚沼市上薬師堂のトミオカホワイト美術館で「南魚沼の画家展〜繁城山法音寺 平成蔵収納作品より〜」が開催され、19日の「作品解説会」では、展示17作品のうち作家6人が自ら解説し、ほかの作品については南魚美術協会顧問の永井昭司さん(88)、同協会副会長の門井直子さん(52)が解説。訪れた市民や美術愛好家らは各作家の解説に熱心に耳を傾けていた。

作品解説を熱心に聞き入る市民や美術愛好家たち=5月19日、「南魚沼の画家展」作品解説会

南魚沼市藤原の繁城山法音寺には、「平成蔵」と名付けられた蔵がある。法音寺第75世、前住職の鈴木快秀さん(80)=写真=が「郷士で育まれた芸術を後世に残し、その作品を多くの方に見ていただきたい」との想いから2019年、同寺に近い檀家にあった土蔵を譲り受けて境内に移転し、絵画保存に適した万全な環境に改修して平成蔵と名付けた。鈴木さんは、この想いを南魚沼市、湯沢町で活動する南魚美術協会員らに伝えたところ、17人の画家から賛同を得られ、絵画325点が平成蔵に収納された。

繁城山法音寺第75世、鈴木快秀さん

19日の作品解説会で鈴木さんは「市制20周年記念・初蔵出し作品展が開催できたのは、ご理解とご協力をいただいた皆様をはじめ永井昭司先生や同美術館スタッフのおかげと心より感謝している」と話し、同美術館の角田由美子さん(48)も「地域で生まれた素晴らしい作品を地域の皆様に観ていただきたい。今回が第1回目となる『蔵出し展』。機会があれば、次回も開催できればと思う」と話している。この平成蔵収納の17人の作品(洋画16点、日本画1点)の初蔵出しとなる同展は、南魚沼市市制施行20周年記念として、富岡惣一郎の作品と共に6月18日まで、展示されている。問い合わせは、トミオカホワイト美術館、電話025(775)3646まで。

(雪国新聞 5月31日掲載)

顔が見えて親しめる身近な作品展 六日町美術協会展

南魚沼市の六日町美術協会(畔上晃会長)は4月28、29日の2日間、「第30回六日町美術協会展」を南魚沼市民会館多目的ホールで開催した。会場には、同協会所属の会員27人による絵画、彫刻、書道、写真の作品40点が展示され、2日間で約200人の来場者が力作を堪能した。

南魚沼市五日町の書道家、佐藤海雲さん(73)による「実技講習会」が28日に行われ、用具などの選び方から練習方法までを伝授した。佐藤さんは「古代の書道家たちの文字をお手本に観て書く『臨書(りんしょ)』。何度も臨書を重ね、手本を見ないで記憶を頼りに臨書を練習する『背臨(はいりん)』。そして、背臨で身に着けた書風を自分自身のものとし、作品にも応用していく。書道では、とにかく繰り返し練習する事が大切である」と話した。また、27日午後からは、各部門の「作品合評会」も行われ、市民や美術愛好家らが各講師の話に聞き入っていた。

来場者の質問に笑顔で応える県展無鑑査・毎日書道展漢字部審査会員の佐藤海雲さん=4月28日、南魚沼市民会館多目的ホール

同美術協会副会長で南魚沼市藤原の法音寺前住職、鈴木快秀(大嘉)さん(79)は「六日町美術協会展は、審査などは行わず、市内の美術愛好家、作家の皆様が気軽に出展出来る『顔が見えて親しめる身近な作品展』である。同展が30回を迎えることが出来たのは、多くの皆様や地元企業のご理解とご支援のおかげであり、心より感謝している」と話していた。

(雪国新聞 5月17日掲載)

一緒にさくらを植樹しませんか 5月25日正午から 関興寺で

株式会社伊藤園が全国で行っている桜の植樹・保全活動「わたしの街の未来の桜プロジェクト」で、南魚沼市上野の関興寺が選ばれ、5月25日に桜の植樹祭が開かれる。

株式会社伊藤園(本庄大介社長)では、2019年2月に「お~いお茶」発売30周年を迎えたことを記念し、「日本の春の象徴として古来より愛されてきた桜を未来につなぎ、咲かせ続けたい」という願いを込めて、公益財団法人日本さくらの会と協同して全国で桜の植樹・保全活動を行っている。

関興寺の杉岡住職の後輩である神奈川県伊勢原市の能満寺、松本隆行住職は「桜プロジェクト」に協力しているコメディアン、萩本欽一さんと駒澤大学の学友でもあることから、萩本さんにもぜひ、おいしい南魚沼のお米(関興寺米)を食べていただきたい」と、能満寺住職を通じて萩本さんに届けられ、萩本さんが関興寺米のおいしさに感動。「ぜひ今度、関興寺で植樹を」と植樹が実現した。

杉岡住職は「関興寺では、境内に広がる『花岡山を桜と紅葉の美しい里山にする活動』を行なっています。地域の皆さまに長く愛される里山となるよう今後も南魚沼市、地域の皆様の協力を得ながら整備を進めて参りますので25日の植樹祭にぜひ、お越し下さい」と話している。

植樹祭は正午〜お茶の振る舞い、午後1時〜薄根ふるさと太鼓のパフォーマンスで始まり、2時〜セレモニーに続き伊藤園、林茂男市長、市観光協会長らがシダレザクラを植樹し、一般参加者がソメイヨシノを植樹する。2時30分〜坐禅体験(50人まで・「お~いお茶」のプレゼントあり)も行われる。また、来場者に「関興寺米」おにぎり、味噌なめたか…の「関興寺汁」が振る舞われる。

問い合わせは、関興寺(南魚沼市上野267 電話025−783−2111)。

(雪国新聞 5月10日掲載)

カレーや弁当など提供 みんなの食堂

 南魚沼市浦佐の普光寺で21日、萌気「みんなの食堂」が行われた。みんなの食堂は、南魚沼市の医療法人社団「萌気会」が2020年8月から、普光寺と南魚沼市市野江甲の萌気園大和通所介護「地蔵の湯」で、こども食堂の活動を行っており、来場者にカレーや弁当などを提供している。

あっという間に120食完売「みんなの食堂」=21日、南魚沼市浦佐の普光寺前

開催が12回目となる今回のメニューは、キーマカレー(スイーツと缶ジュース付き)で大人が300円、子供無料で提供。会場の普光寺前には、開始時間前から地域の子供や家族連れが次々に訪れ、午後1時には用意した120食分が完売となった。また、2021年8月から、同じく地域支援活動の一環として、一人親世帯などや経済的に困窮する住民をサポートしようと、地域の個人や商店、企業から寄付された食料品や農産物などを収納しておき、必要な人が必要なものを無償で受け取ることができる「みんなの冷蔵庫(お寺冷蔵庫)」活動も行っている。「みんなの食堂」は、赤い羽根福祉基金特別プログラムから備品購入にかかる費用の助成、NH歳末たすけあい募金からの助成も受けているが毎回、地域住民や北里大の学生らのボランティア、萌気会の有志らの協力で運営され、「みんなの冷蔵庫」も、地域の個人や企業ほか萌気会職員からの物品の提供や協力で運営されている。萌気会の上村光夫さん、田中伊織さんは「困っている方の力になりたいのはもちろん。今後も、この活動を続け、多くの皆様にも関心をもってもらえればうれしい。また、核家族化や働き方の変化、生活様式の多様化などで地域生活における日常的なかかわり、ふれあいの機会が減少し、人間関係が希薄な世の中になった。高齢者から子供たちが集い、みんなが一緒に遊べる場所も提供できたらと思っている。そして楽しい交流の場になればと願う」と話している。

「皆さんも一緒に活動しませんか」と呼びかけるボランティアスタッフたち

(雪国新聞 5月2日掲載)

「ジャパン・アウトドア・リーダーズ・アワード2024」で優秀賞(自然体験村 武宮敬介さん)

 日本各地でアウトドア活動を通じて地域の人づくりに貢献している人を表彰する「ジャパン・アウトドア・リーダーズ・アワード2024」(同運営委員会主催)が3月13日、東京都渋谷区の国立オリンピック記念青少年総合センターで開かれ、自然体験村代表・日本ジョセササイズ協会南魚沼支部長の武宮敬介さん(43)が優秀賞を受賞した。武宮さんは8日、南魚沼市役所を訪れ、林茂男市長に受賞の報告を行った。

 同表彰は、2017年から、コロナ禍の2021年を除き7回目。今年は、プロ登山家の竹内洋岳氏が選考委員長を務め、全国から51人の応募者から奨励賞2人、武宮さんを含む優秀賞6人が選ばれている。

 武宮さんは、20年間南魚沼市で行ってきた体験村の子どもキャンプやリーダー育成、若手育成、そしてジョセササイズ(=除雪でエクササイズの略。除雪は労働ではなくエクササイズであるという考え)など、それぞれの活動の継続性や影響力が評価され優秀賞に選ばれた。武宮さんは「20年間南魚沼市の方たちに助けられながら行ってきた活動が一つの形になりました。今後も、この地域の良さをより多くの子どもたちや訪れる人たちに感じてもらえるように努力したい。また、コロナ禍で途絶えていた、南魚沼市の子どもたちを沖縄に連れて行く交流会も再開するので、交流先の金武町と共に整え、双方の子ども達にとって良い体験の機会となるようにがんばりたい」と意気込んでいる。

林市長と「南魚沼市の良さ、あふれる魅力についてどのような活動を行うべきか」を熱く語り合う=8日、南魚沼市 市長室

(雪国新聞 4月19日掲載)