赤門改修作業始まる 金剛力士も修復のため搬出  雲洞庵

南魚沼市雲洞の雲洞庵(田宮隆児住職)の山門(通称「赤門」)が、老朽化のために建て替えられることになり、赤門の左右に立つ2体の金剛力士像もこのほど、修復のために搬出作業が行われた。

1781年(天明元年)、南魚沼市寺尾の正眼寺15世住職が手がけたといわれる金剛力士像の頭部や腕を外し、体をさらしで巻いて、京香と大平建設工業の職人が力を合わせて運び出す=11月27日

雲洞庵は、曹洞宗、越後一の寺で約1200有余年の歴史があり、赤門からの参道の下には法華経の一石一字が書かれた石が埋められており古来より「雲洞庵の土踏んだか」といわれ参道を踏みしめて参詣することで御利益があるとされている。近年、NHK大河ドラマ『天地人』や赤門で映画『峠 最後のサムライ』のロケなどが行われたことから全国的にも知られ、地元では、単なるお寺ではなく歴史、信仰、文化、教育、観光にと地域にとっては欠かせない心のふるさとのような存在。そんな雲洞庵の赤門は、1707年(宝永4年)に建てられた2代目で1726年(享保11年)にも修復された。また、金剛力士像(阿形と吽形)は、高さが約2・4メートルの寄せ木造りで1781年(天明元年)に建立された。

全国の文化財修理復原、寺社仏閣内装外装工事を手がける、長岡市の(株)京香(斎藤正彦社長)の熟練の職人らが、金剛力士像修復のために首、腕などを解体し、見附市の同社工房へ運んだ=写真=。

斎藤正彦社長(63)は「27年春頃に修復完了の予定で納品は、山門が完成後となる。仁王像は、仏の守護神と言われており、いわば門番です。それにふさわしい姿になるよう一つ一つの工程に心込めて修復にあたります」と話す。

赤門と仁王像の改修、修復総工費は約1億2千万円で27年の完成を目指している。費用は、雲洞庵や檀家の寄付のほか、山門の改修を行う、南魚沼市上原の大平建設工業(株)で新しい心柱作成時の端材を使ったお守り(2千円)の販売益が充てられる。

大平建設工業の大平岩夫社長(73)は「これから雪の季節になるので来春から本格的な作業となる。ケヤキで直径約50センチの新しい心柱作成ほか大変な作業となるが完成後は、千年以上は持つ立派な赤門にするために弊社の職人が全勢力をかけて改修にあたる」と意気込む。

金剛力士像が運び出され、改修を待つ赤門=12月3日

(雪国新聞 12月18日掲載)

子どもたちも協力して設置 県道沿い500メートルにイルミネーション 南魚沼市一村尾

南魚沼市一村尾、県道小千谷大和線の安全歩道沿いの約500メートルにイルミネーションを設置しようと30日、地域住民や子どもら約60人が設置作業を行った。地域を盛り上げようと、地域の住民団体「童夢」が20年ほど前に始め、2021年からは住民有志によるイルミネーション実行委員会が活動を引き継いで行われている。作業を終え、夕暮れになると赤や青色など色鮮やかなLED電球と雪の結晶や雪だるまなどの装飾も施されたイルミネーションで沿道沿いはクリスマスムード満点な幻想的な雰囲気に包まれた。

住民や子どもらが協力し、県道沿い約500メートルに設置したイルミネーション=11月30日午後5時頃

設置作業に参加した、一村尾地区PTA代表の星野風香さん(34)は「地域と交流を深め、少しでも地域のお役に立てればと思い今年、PTAとしては初めて参加。子どもたち21人、保護者16人でお手伝いさせていただいた」。同じく、副代表の上村美里さん(38)は「『みんなで飾り付けたイルミネーションが多くの人たちに喜んでもらえた』という、子どもたちの思い出づくりのためにも今日、参加させていただいて良かった。この活動がずっと続けばいいなぁと思っている」と話していた。

(雪国新聞 12月12日掲載)

校外学習で特産品「魚沼しいたけ」について学ぶ

 

自ら収穫した椎茸の大きさ比べで盛り上がる=収穫体験

浦佐の特産品「魚沼しいたけ」について学び、地域への理解をさらに深めようと浦佐小学校4年生39人が、校外学習で近くの有限会社牛木きのこ園を見学した。同きのこ園、山本康之統括本部長のしいたけについての解説や工場の案内に続き、収穫体験ではお気に入りの椎茸を自ら収穫し、椎茸の大きさ比べで盛り上がり、児童が楽しみにしていた「きのこの試食」では、きのこ園の山本さんやスタッフが用意した、炒めしいたけ、しいたけ汁が振る舞われ、児童は採れたての椎茸に舌鼓を打っていた。

4年1組、関隆太さんは「大きさがみんな違う椎茸にびっくり。キノコの出汁だけで作ったお汁の美味しさにびっくりした」。2組の湯本臣杜さんは「キノコは形がそれぞれ違うのに味は変わらないことに驚いた。また、自然のキノコにはいろんな形があることを知った」と話していた。4年1組担任、山田薫教諭(40)は「『おいしい!』『今まで食べたしいたけの中で1番おいしい!』『苦手だったけど、好きになった!』などと、子どもたちは大喜びでした。収穫した魚沼しいたけを家でどのようにして食べたか?料理の写真を添えて牛木きのこ園さんへ感謝の手紙と一緒にお渡ししようと考えている。毎日、給食を残さず、モリモリ食べている元気な浦佐小4年生!これからも『食』を通し、地域について学びもっともっと地元、浦佐を好きになってほしいと願う」と話している。

「炒めしいたけ」と「しいたけ汁」の試食に児童も先生も思わず笑顔

(雪国新聞 12月12日掲載)

南魚沼市とバーミキュラの愛知ドビーが包括連携協定を締結

林市長と愛知ドビー株式会社、土方邦裕社長=11月21日、南魚沼市事業創発拠点MUSUBI−BA

南魚沼の豊かな「食資源」と愛知ドビー株式会社の「製品力とブランド力」という双方の資源を最大限に活用し、多様な価値を創出することを目的に包括連携協定を締結。締結式が21日、南魚沼市事業創発拠点MUSUBI−BAで行われた=写真=。

南魚沼市では、南魚沼市しか味わえない「地域食、酒、雪、歴史、文化、温泉」などの固有資源・価値を包括し、『ゼッピン(ZEPPiN)』と表現。9月に策定した観光戦略に基づき「ゼッピン雪国宣言」の基本理念の下で「食のブランディング戦略」を推進しており、南魚沼産コシヒカリをはじめとする市内産の食材の魅力を活かした地域全体で食のブランド価値向上に取り組んでいる。

愛知ドビー株式会社は、1936年に愛知県名古屋市で創業した老舗鋳造メーカー。3代目の(土方邦裕社長、土方智晴副社長)兄弟の「町工場から世界最高の製品を作りたい」という思いから生まれたメイド・イン・ジャパンの鋳物ホーロー鍋「バーミキュラ」は、「手料理と、生きよう」をブランドスローガンに掲げ、素材の味を最大限に引き出す製品とライフスタイルを世界へ発信している。なお、愛知ドビー株式会社と自治体の包括連携協定は全国初となる。土方邦裕社長は「南魚沼市の美味しいコシヒカリとご飯が美味しく炊ける弊社製品で相乗効果を意識しながら南魚沼市にとどまらず『日本のものづくり』を世界に再認識してもらうことを目標に活動して行く」と話している。

左から、小髙直弘副市長、林茂男市長。愛知ドビーの土方邦裕社長、石藤諭マーケティング本部長

 

土方社長の製品解説に耳を傾ける林市長

(雪国新聞 12月5日掲載)

亡き祖母の旅館再開を記念して 七代目三遊亭円楽落語会

 元女子力観光プロモーションチーム、FMゆきぐにアナウンサーの小杉幸子さん(59)が、50年前に亡くなった祖母が営んでいた南魚沼市石打丸山スキー場の旅館「中嶋屋」の再開を決意。今シーズン12月クリスマスの頃を目標に、南魚沼地域で活躍する若手女性シェフ宮田悠さんとコラボレーションのカフェからスタートを目指している。

今年2月、7代目を襲名した円楽さんと、全国のコミュニティFMで金曜日深夜に放送中の「円楽のシネマトーク&ミュージック」で小杉幸子さんがパーソナリティを務め、プライベートでも交流。小杉さんの祖母で中嶋屋旅館の創業者、阿部シゲノさんの50回忌の供養として落語会を開催したいとの思いを伝えたところ、円楽さんの快諾で「第1回石打丸山スキー場関山寄席『七代目三遊亭円楽落語会』」が実現。落語会には、小杉さんの親戚や地元住民、地元企業のオーナー、議員ほか、首都圏からのメディア関係者ら総勢約50人余りが落語を満喫。引き続き、円楽さん、弟弟子の萬丸さんを囲んで地元「天心」の自慢料理や近隣住民の持ち寄った酒を酌み交わしながら交流を深めた=写真=。

落語会を主催した、小杉さんは「様々なご縁と歴史の大きな流れを感じながら多くの人々の助けを得て開催する事が出来た。客をもてなす事が生き甲斐だった祖母の遺志を継ぎ、中嶋屋旅館を再開することで阿部家先祖、ご近所様に喜んでもらえれば幸せに思う。後日、東京のスタジオで円楽師匠に『姉さん、来年もやりましょうよ!』との言葉。来年の落語会もご期待ください」と話している。

また、小杉さんは2024年から、女子力観光プロモーションチームの友人たちと地域活性化サークル「Snow Girl(スノウガール)を発足。そのチームを軸に、「ゆきぐにでアソボ」をキャッチフレーズに 共に食し、語り、遊ぶ!を敢行すべくInstagramなどSNSで発信し、南魚沼地域の魅力を発掘中。東京と南魚沼の2拠点生活を続けながら精力的に活動を行っている。

三遊亭円楽さん(47)は、五代目円楽さん最後の弟子。父は同じく落語家の三遊亭好楽さん(79)で、好楽さんと同じ師匠であることで親子だが兄弟弟子の関係
円楽さんの弟弟子、三遊亭萬丸さん(35)
落語会終了後、酒を酌み交わしながら盛り上がる=南魚沼市石打、中嶋屋

 

 

 

 

 

 

 

(雪国新聞 11月28日掲載)

全国から大勢の鉄道ファン 越後湯沢駅開業100周年イベント

田村町長、中島駅長の合図で「越後湯沢駅100周年号」長岡行きが発車。同列車の編成は、オリジナルロゴのヘッドマークをつけたEF64形+12系(SLばんえつ物語用客車)7両+EF64形

JR越後湯沢駅が、1925年に開業して100周年を迎え「越後湯沢駅開業100周年イベント」が1日、越後湯沢駅で開かれた。

快速「越後湯沢駅100周年号」(長岡〜越後湯沢間)の運行をはじめ在来線ホームやコンコースでは、スタンプラリー、子ども駅員体験、ロゴを使用したオリジナルグッズの販売などが行われた。また、東口駅前広場では、ゆざわマルシェなども開催され、多くの来場者でにぎわった。

入場券を買い求めようと長蛇の列にならぶ、南魚沼市市野江丙の足立知彦さん(49)は「今日、私が接した限りでは沿線や駅に来られた多くの鉄道ファンは、ルールを守って撮影されていたと思う。このように多くの人たちが訪れるような時は、地元側でも駐車場所やトイレ案内などの受け入れ態勢を整えることでもっと、活性化に繋がる思う」と話していた。

上杉謙信が冬の三国峠越えの際、太鼓を鳴らして軍勢を鼓舞したという雪雷太鼓を披露=100周年号出発式

在来線ホーム1番線では、長岡駅発、12時20分に到着した「越後湯沢駅100周年号」の客車が飲食や休憩もできる「トレインラウンジ」として開放。多くの来場者が座席の座り心地を確認したり、車両内外の細部まで写真を撮る熱心な鉄道ファンの姿が見られた。その後、長岡行きとなる同列車の発車前、出発式が行われ、田村正幸町長、中島宏明駅長ほか、雪雷(ゆきおろし)太鼓保存会(森本佳美会長)の演奏やSLばんえつ物語号のキャラクター「オコジロウ」と北越急行の「ホックン」が盛り上げた。発車時刻になると中島駅長と田村町長の出発合図で列車は汽笛を響かせ長岡に向け発車。ホームに詰めかけた多くの鉄道ファンらが見送った。出発式で、雪雷太鼓を披露した湯沢小学校4年生の菊地一歩樹さん(10)は「私は、小1から太鼓をやっています。今日はたくさんのお客さんでびっくりしましたが練習どおり楽しく演奏できました。太鼓を続けて来て良かったです」と話していた。

来年3月まで、越後湯沢駅の歴史パネルを展示=駅改札東口通路
オープニングセレモニー、ゆざわマルシェでにぎわう=駅東口駅前広場

(雪国新聞 11月14日掲載)」

梅桜亭開設30周年記念寄席 南魚沼市一村尾担い手センター

「越後人の大きさ、暖かさ、優しさで梅桜寄席が長く続けられた。そんな皆様への恩返しとしてこれからも心温まるいい話をしていきたい」挨拶する宝井琴梅と妻琴桜さん=10月25日、一村尾担い手センター

南魚沼市一村尾に開設された梅桜亭の開設30周年記念寄席が24日、一村尾担い手センターで開かれ、地域住民をはじめ市内外から約100人の来場者で大盛況となった。梅桜亭は、講談師の宝井琴梅さん(83)が一村尾の民家で1996年9月に開設。月1回、講談や落語などの寄席を開いており、今や身近になった梅桜亭は地域の親睦の場となっている。

梅桜亭開設のきっかけは、一村尾集落に1985年、地域づくりを目的にできた独立国「童夢」が農業講談を得意とする琴梅さんに「当地でぜひ、農業講談を語ってもらいたい」と直談判して実現した。現在、童夢は梅桜亭存続のため順番に家賃を支払う「梅桜亭オーナー会」として活動を続けている。

この日、30周年記念寄席では、宝井琴梅さん、宝井琴桜さん、宝井琴凌さんの講談ほか田辺一紀さん、田辺凌天さん、宝井琴鶴さんのかっぽれ、六代目越後屋助七(渡辺孝之)さん(86)がそば打ちを披露した=写真=。

梅桜亭オーナー会(元童夢元首)の井上智明会長(77)は「梅桜寄席は、お客さん、講談師、場所(梅桜亭)を支える人々の3本柱があって長く続けられた。そして、何よりも、みんなが楽しくなければやって来られなかったと思う。これからもみんなが楽しめる梅桜寄席を少しでも長く続けられように頑張る」と話している。

田辺一紀さん、田辺凌天さん、宝井琴鶴さんが「かっぽれ」で盛り上げる
「母里太兵衛」を披露する宝井琴凌さん
「呂昇物語」を披露。宝井琴桜さん
「夜もすがら検校」を披露。宝井琴梅さん
江戸時代から続く「駒形どぜう」六代目で、そば打ち名人。六代目越後屋助七さんがそば打ちを披露

(雪国新聞 11月7日掲載)

企業版ふるさと納税でアサヒビールが湯沢町に1000万円寄付

湯沢町の企業版ふるさと納税制度を使いアサヒビール株式会社が寄付金1000万円を贈呈。 湯沢高原Kumo cafe(くもカフェ)で8日、寄付贈呈に対して湯沢町から同社に感謝状が送られた。

アサヒビール藤澤次長の寄付贈呈に続き、田村町長が藤沢次長に感謝状が手渡された=8日、湯沢高原kumo caféのオープンデッキ

アサヒビールでは、お酒を飲む人も、飲まない人も、気兼ねなく好きなドリンクを楽しめる飲み方の多様性「スマートドリンキング」を提唱しており、2024年から実施している企業版ふるさと納税第3弾として、スマートドリンキングの推進事業に役立ててもらおうと、湯沢町を含む全国10の自治体にそれぞれ1000万円、合わせて1億円の寄付を行っている。

贈呈式には、アサヒビール(株)S&OP企画部、藤澤達也次長、湯沢町の田村正幸町長らが出席。藤澤次長の寄付贈呈に続き、田村町長から藤沢次長に感謝状が手渡された。田村町長は「スマートドリンキングを通じて『観光』と『地域の健康』の2つを繋ぐ取り組みを行う」と述べた。

越後湯沢駅100周年記念ナイトツアーや特別スナック開店

湯沢町と協業し、越後湯沢駅開業100周年を機にナイトタイム観光事業を監修するオンラインスナック横丁文化株式会社(五十嵐真由子社長)は、アサヒビールの企業版ふるさと納税による支援を受け、スナック横丁が「越後湯沢駅開業100周年記念」イベントに合わせ、湯沢町と協力して展開する「スナックガイドツアー」と「ホッピングツアー」がスタートした。「スナックガイドツアー」は、湯沢町の夜をとびきり楽しむ2時間半のスペシャルツアー。駅周辺の飲食店やスナックをガイドと一緒に安心してめぐり、ママや常連さんとの交流が楽しめる帯同型ツアー。参加費は、5000円+立ち寄る飲食店1店舗につき飲食代2000円。一方の「ホッピングツアー」は、参加者が手形を購入し、MAPに載っているお店から好きなお店を選んで巡り、特別料金で飲んだり食べたりできるセルフスタイルで、発行日内なら、何軒でもハシゴOK。スナック文化やスマートドリンキングが学べる「入門教科書」のプレゼントもあり、お酒を飲む人も飲まない人も一緒に湯沢の夜を自由気ままに楽しめる。参加費は、500円 (参加証)+各店舗でのセット料金2000円。また、越後湯沢開業100周年コラボイベントとして1日限りの足湯スナックと天空スナックを開店。「足湯スナック」は、11月1日12時〜17時、越後湯沢駅西口前広場で、お酒やノンアルを味わい一期一会の出会いを体験。参加費は、1000円(ドリンク1杯・おつまみ付き)。また、山頂から絶景を望みながら楽しめる「天空スナック」は、同じく1日の12時〜16時30分、参加費は、1000円(ドリンク1杯・おつまみ付き)、ロープウェイチケット付きは、3700円となっている。問合せは、湯沢町観光まちづくり機構(電話025-785-5505)。

湯沢町オリジナルスマドリモクテルも披露。左から、コシヒカリの糀を使用した炭酸飲料「雪色ソーダ」。モクテル「雪色ゴールドスパークル」「湯沢サンライズ」。ノンアルビール「新•衝撃のうまさ!アサヒゼロ」。自然とキレイな水が育てたトウガラシを使用したホットソース「ユザスコ」

(雪国新聞 10月24日掲載)