南魚沼に映像クリエーターの新星登場!  TOHOシネマズ学生映画祭でグランプリ 南魚沼市関出身 扇子裕介さん

映画・映像産業で活躍する人材を世に送り出す、プロになるための登竜門となる「TOHOシネマズ学生映画祭が、東京都千代田区有楽町のTOHOシネマズ日比谷で開かれ、南魚沼市関出身(現在TBS SPARKLE所属)の扇子裕介さん(21)が作品「RESTART御社を攻略せよ」が見事、ショートフィルム部門グランプリを受賞した。

「TOHOシネマズ学生映画祭」でグランプリを受賞した扇子裕介さんと審査員、映画監督の阪元裕吾さん(写真左)=3月27日、東京都千代田区有楽町、TOHOシネマズ日比谷 

扇子さんは、小学5年生の誕生日に父親からパソコンをプレゼントされてから映像制作に目覚め、中学生のころから旧上関小学校の卒業記念DVD制作に参加。柔道推薦で帝京長岡高校に進学。部活動と並行して映像制作活動を続け旧上関小学校の「閉校記念」DVD制作にも携わるともに地元で映像制作に関する講演も開始。日本工学院専門学校に進学と同時に、上京後も旧上関小と石打小が統合した石打小学校の統合記念、運動会ダイジェスト映像「シン・イシウチ」を制作・上映。さらに「スーパーヒーロー」がテーマの映像コンテストで最優秀賞受賞(ベネッセ教材に採用)を受賞している。また、石打小学校の卒業DVDにVFXや3DCG技術を本格導入し、23年には無人航空機操縦士(ドローン)の国家資格も取得。石打小6年生を対象に「映像を浴びる会」講演会を開催。東映アニメーションとタッグを組み「銀河鉄道999」のミュージックビデオ制作には企画から制作、完成まで一人で担当し、横浜スタジアムの大型ビジョンで上映され、優秀作品に選ばれている。24年に、「不適切にもほどがある!」や「グランメゾン東京」などを手掛けるTBS SPARKLEに所属が決まった扇子さんは、今しかできないことを全部やろうと心に決め、さらに勉強と制作に励むと決意。半年間、宣伝会議コピーライター養成講座を受講し、課題で「金の鉛筆」5本を受賞。卒業課題(サイクルベースあさひのキャッチコピー)が実際に広告も採用されている。専門学校在学中も、東京と実家の南魚沼を行き来する生活を続け、石打小学校の修学旅行引率撮影や運動会プロモ映像の制作も行い、専門学校の卒業制作では石打小学校全面協力で「就職活動」をテーマに、東京と南魚沼を舞台にした作品を制作した。そして、東京都千代田区有楽町のTOHOシネマズ日比谷で3月27日に開催された「第18回 TOHOシネマズ学生映画祭」で、全国から200点以上の応募作品のなかから扇子さんの作品がショートフィルム部門の上位6本に選出され、上映後の最終審査で「RESTART御社を攻略せよ」が見事、ショートフィルム部門グランプリを受賞した。最終審査時の扇子さんは「石打小6年生から卒業式の日に贈られた名前入りのペンを、お守りのように胸に忍ばせて受賞に臨んだ。受賞の瞬間、自然と子どもたちの笑顔が思い浮かび、感謝の気持ちで胸がいっぱいになった。美大や芸大の強豪チームを破った下剋上だった」と振り返る。

また、石打小学校の卒業DVDについては「日本最高峰のクオリティーだと思っている。また、集大成となる25年度版=写真=では、驚きと感動で子どもたちに恩返しをしたいし、石打小学校以外の方々にも是非観ていただきたい」と話す。

2025年度の石打小学校の卒業DVDのタイトル

現在、TBS SPARKLEに所属する扇子さんは「時代に新たな風を吹かせる物語を創り続け、母校、塩沢中学校でも、いつかは映像講演もしてみたいし、ふるさとへの恩返しは、まだ始まったばかり。創るか死ぬかの人生は、大好きな山崎貴監督や新海誠監督のように、人の心を震わせる映像監督を目指したい」と熱く語る。

映像クリエーターは、南魚沼にとっても地域の魅力をダイレクトに伝えることができるため、観光客増加、移住促進、地域全体の認知度向上、地域活性に貢献できることから、地域の映像業界のみならず行政なども含む各方面からは「新たな本物の映像クリエーターの登場」で、今後の扇子裕介さんへの活躍に期待が寄せられている。

現在、所属するTBS SPARKLEで「時代に新たな風を吹かせる物語を創り続ける扇子裕介さん

(雪国新聞 5月30日掲載)