南魚沼市雲洞の雲洞庵(田宮隆児住職)の山門(通称「赤門」)が、老朽化のために建て替えられることになり、赤門の左右に立つ2体の金剛力士像もこのほど、修復のために搬出作業が行われた。

雲洞庵は、曹洞宗、越後一の寺で約1200有余年の歴史があり、赤門からの参道の下には法華経の一石一字が書かれた石が埋められており古来より「雲洞庵の土踏んだか」といわれ参道を踏みしめて参詣することで御利益があるとされている。近年、NHK大河ドラマ『天地人』や赤門で映画『峠 最後のサムライ』のロケなどが行われたことから全国的にも知られ、地元では、単なるお寺ではなく歴史、信仰、文化、教育、観光にと地域にとっては欠かせない心のふるさとのような存在。そんな雲洞庵の赤門は、1707年(宝永4年)に建てられた2代目で1726年(享保11年)にも修復された。また、金剛力士像(阿形と吽形)は、高さが約2・4メートルの寄せ木造りで1781年(天明元年)に建立された。
全国の文化財修理復原、寺社仏閣内装外装工事を手がける、長岡市の(株)京香(斎藤正彦社長)の熟練の職人らが、金剛力士像修復のために首、腕などを解体し、見附市の同社工房へ運んだ=写真=。
斎藤正彦社長(63)は「27年春頃に修復完了の予定で納品は、山門が完成後となる。仁王像は、仏の守護神と言われており、いわば門番です。それにふさわしい姿になるよう一つ一つの工程に心込めて修復にあたります」と話す。
赤門と仁王像の改修、修復総工費は約1億2千万円で27年の完成を目指している。費用は、雲洞庵や檀家の寄付のほか、山門の改修を行う、南魚沼市上原の大平建設工業(株)で新しい心柱作成時の端材を使ったお守り(2千円)の販売益が充てられる。
大平建設工業の大平岩夫社長(73)は「これから雪の季節になるので来春から本格的な作業となる。ケヤキで直径約50センチの新しい心柱作成ほか大変な作業となるが完成後は、千年以上は持つ立派な赤門にするために弊社の職人が全勢力をかけて改修にあたる」と意気込む。

(雪国新聞 12月18日掲載)
